「具体」と「抽象」の行き来
- 前回はロジックツリーを紹介しました
- そこでも触れた通り、ロジックツリーにおいては「MECE」感を保持することが重要です
- 本稿では「MECE」感を保持する上で重要な頭の使い方について、もう少し補足しておきます
マグロ、大根、野菜、牛乳
- 晩ごはんの「おかず」を例に考えてみましょう
- 上記の図は、不適切な「並び」であることが直感的にもわかると思います
- そう感じるのは、「横並び」になっているものの「抽象度」が違うからなんです
- この感覚が、あらゆるものにもてていればOKです
ヘリコプター・シンキング
- 外資系コンサルが良く「レベル感」と口にするのは「抽象度」のことです
- 抽象度とは、下記の図の上下の関係を指しています
- 自分がいま考えている事柄の抽象度を把握し、自在に上下させることができると、思考の幅がぐっと広がります
- 新たな打ち手の可能性に気づいたり、自分と相手の前提の違いに気づいたりすることができるのです
- 抽象度を自在に上下させることを「ヘリコプター」に喩えて「ヘリコプター・シンキング」と呼ぶことがあります
「方向オンチ」を克服しよう
- ロジックツリーを「地図」だとすると、抽象度感覚は「コンパス」にあたります
- 抽象度感覚が無いことは、方向感覚がない(方向オンチ)のと同じです
- 先ほどはヘリコプターに喩えましたが、ダイビングをやる人は、深さ感覚と水面の方向を失うと命に関わることがわかると思います
- もう少し実務に近い別の例で見てみましょう
実務においてはどうか?
- 「マグロ、大根、野菜、牛乳」は、あまりに極端だと思うかもしれません
- 例えば「YouTubeのチャンネル登録者数を増やす」議論をしているとします
- あとで会議のメモを見返すと、話したトピックが以下のようにまとめられている、なんてことはないでしょうか
- もちろん、議事録をいつもロジックツリーのように書く必要はないのですが、会議の参加者たちが正しい方向感覚を共有して議論できていたか?は重要です
- 先ほどの極端な例、「マグロ、大根、野菜・・・」もあながちありえなくもない、と感じるのではないでしょうか
大切なのは抽象度の高度感覚
- キレイな図が描ける必要はありません
- まずは議論や考え事をしている時に、自分(たち)がどこにいるのか、どこへ向かっているのか、その感覚が正しく持てていることが重要です
- その上で、抽象度を自在にコントロールする
- 上記の例であれば、「カメラを買い換える」などの打ち手にすぐ飛びつくのではなく、
- 「動画のクオリティを上げるのが目的なら、カメラを買い換えるよりも他に有効な打ち手があるのでは」
- 「質はこのままで量を増やせないか」
- 「そもそも動画のクオリティを上げるだけとは限らない」
- 「SNSで広めてもらうにはどうすればいいのか」
- 「リアルな口コミも意外とあるのでは」
など、「抽象度」の高度を上下させながら有効な打ち手の探索が可能です - それを「迷子」にならずに行うことができると、アウトプットの質が上がるはずです
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